この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた (河出文庫 タ 4-1)

  • 河出書房新社 (2018年9月6日発売)
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原題は『Knowledge』
仮に現代文明がなんらかの形で終焉を迎え、生き残った数少ない人々が再度この地上で文明を築くためには、なにが必要なのか?という問いに答えていくための数々の必要な知識を思考実験的に紐解いていく一冊。「失われる前に集めなければならない何よりも重要な資源は、知識である。」
この一文を農業、食糧、衣服、物資、材料、医薬品、動力、輸送、通信、化学、そして時間と位置、などに分類してたどっていく。本書を読み進める中で、思い及んだ単位についても最後に言及される。
実に多くの技術が言及され、そこまで専門的にはなっていないと思うけど、基礎的な理解が追いつかない項目もしばしば。

実際には過去の多くの社会がそうであったように、人が集まったらいろんな争いが起きて即「発展するぞ!」とはならないんでしょうが。現代文明を支える根幹技術を垣間見る。身近にはあっても知らない知識だらけ、ということを認識するにはよい一冊。ちょっとSFっぽい部分もあり。個人的にはわからないことも多いなりに、人に話したくなる蘊蓄もあり読んでよかった。もうちょっと基礎的な科学知識を増した上で、何度か読み返した方がよいかなーと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 地球科学
感想投稿日 : 2021年3月14日
読了日 : 2021年3月14日
本棚登録日 : 2021年3月14日

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