「訪れたもの、去ったもの」
あの子は行ったっきり帰ってこなかった。
どこか悲しいけれど、誰しもがある経験。
ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉の本作。
第1部に続いて奇妙な出来事が次々に起こり、岡田享の人生の歯車が狂っていく。
勝手に周りの様子がおかしくなってくように一見するけど、結果的に彼自身が引き起こしたところが怖いなぁ。
彼からは目に見えて分かる事と、彼自身が信じている事しか見えていない印象を受ける。
それはきっと社会の側が彼にそうなるよう仕向けたのかもしれないけれど、でもそれに彼は気づかないし、気付けない。
そして第2部での彼の葛藤は、私たちが生きるこの閉塞的な社会への意識的な対決や決別にも見て取れる。
〈第3部〉では新しい旅が始まるとのこと。
ただ、善意が負ける理由はないと思って読みたいな。
余談だけど、読んでいて少し中弛みした印象なので星4
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年2月5日
- 読了日 : 2024年2月5日
- 本棚登録日 : 2023年12月10日
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