パンとワインを巡り神話が巡る: 古代地中海文化の血と肉 (中公新書 1267)

著者 :
  • 中央公論新社 (1995年10月1日発売)
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感想 : 7

1995年刊行。著者は東京大学教養学部教授。

 タイトルに「神話」とあるように、本書は、特にギリシャ神話やイエス・キリストの神話的な逸話と、そこに含まれる食との関係を叙述するものである。

 本書の所為ではないが、やはりこういうテーマ(神話・宗教)と自分の思考・嗜好・指向との食いつきが悪いことが如実に感じられた。
 換言すれば、同じ古代史でも、先に読んだ「対馬」における古代の遺跡関連の叙述の場合、どれほど細かくとも、読むことに嫌気が起きることはなく、何ら問題がないのに、神話の話題が出たとたん、眉唾に見えてくる。つまり叙述の信憑性に疑義を持ってしまうのだ。

 神話が、記録の作成時、あるいはその淵源としての人間の心性に深く関わっているということは否定しないのだが、どうにも食いつきが悪い。そんな読後感である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2017年5月6日
読了日 : 2017年5月6日
本棚登録日 : 2017年5月6日

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