夏の終り (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1966年11月14日発売)
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フォロワーさんからのオススメで読みました。瀬戸内寂聴の私小説。妻子ある不遇な作家である慎吾と8年に及ぶ愛の生活に疲れ、かつて愛し合っていた年下の男・涼太との再熱愛にも満たされない知子。泥沼な関係は何処までも縺れた糸のように知子に絡みつく。読んで感じたのは、人の愛欲の前に正しさは無意味であるということだ。愛に綺麗も汚いもない。不倫でも道ならぬ浮気であっても、心底からその人を好きになり、愛してしまったのなら、それがその人にとって真実の愛なのだ。この場合、後ろ指をさされる覚悟をも引き受けなければならないけれども。人を愛することは生半可ではないのだと改めて知るような作品でした。「雉子」の終盤も凄まじい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2021年10月1日
読了日 : 2021年10月1日
本棚登録日 : 2021年10月1日

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