月は幽咽のデバイス (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2003年3月14日発売)
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本棚登録 : 4134
感想 : 292
3

最初の頃は「S&Mシリーズがまだ恋しいなぁ」なんて思いつつ読み進めていたVシリーズですが、3作目ともなると流石に少しずつ彼らに慣れてきました。
ただやっぱりキャラクターといい内容といい遥かに濃い作品が多くて読んだ後にすっごく疲れる!
これは私だけなのでしょうか。

今回の話は何というか……「悪者が誰もいない話」にカウントしてもいいのでしょうか。
いや、紅子さんが語ったことが真実であるならばそうなるのでしょう。
けれど今回の話に関しては論理に隙間があるというか、肝心の部分を誰かの口から聞くことがもう出来ない為にそれとは違うパターンもあるのでは?と思ってしまう展開というか……。
ほんのちょっとだけそこが腑に落ちない終わり方でした。

そして話が進むにつれて登場人物の人間関係も微妙に変わり始めている感じが……。
特に保呂草さん、私は最早あなたがいい人なのか悪い人なのか判断することが出来ないよ……どうなっているの……。
4人の関係が今微妙な均衡になっている気がするので、悪い方向に向かわなければいいなぁとひたすら願っています。

そしてこのシリーズ、ひょっとして普通の名字の人こそが普通の感覚を持っている貴重な人材なのだろうかと思ったりして。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 森博嗣
感想投稿日 : 2023年12月12日
読了日 : 2023年12月12日
本棚登録日 : 2023年12月12日

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