パリでメシを食う。 (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎 (2010年7月7日発売)
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本棚登録 : 207
感想 : 15
4

レコードの「ジャケ買い」ならぬ、文庫本の「背表紙買い」もしくは「書名買い」。
著者名も全く知らぬまま、書棚からつい取り出して買い求めてしまった。
そのくらい「パリでメシを食う。」というタイトルにソソラレた。
これは著者の戦略勝ち?それとも編集者のアイディアかな?
そしてタイトルから想像した期待以上に、本書は面白かった。
パリに数十回通うほどの「パリ通」ではないが、パリを訪れること、パリに住まうことは今なお憧れであり、訪れるたびに心躍る街であることに相違は無い。その街に根を張り、小説より奇なる人生を歩む日本人10人のドキュメント。
これがまた、文字通り「十人十色」で、一人分を読み終えると「さあ、次は?」とページを繰るのが待ち遠しい。もともとジャーナリストではない著者の筆力も大したものなのだ。いや、これは筆力と云うよりも、著者自ら本書に取り上げた対象者それぞれへの共感や洞察の鋭さの為せる業か。
別にパリに暮らさずとも、毎日を生きる小さな勇気と力を貰える一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2023年6月18日
読了日 : 2023年6月17日
本棚登録日 : 2023年6月17日

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