ドストエフスキーの処女作。
処女作でこれか…やっぱりすごいなぁ。
あまり難しいことは書かれてないし手紙の形式なので読みやすさもある。
ジェーヴシキンはドストエフスキーがはじめて創造した「美しい人間」なようだけど、たしかに自分がボロボロになってもワルワーラに資金援助をしようとするところはなぜここまで…というほどだった。
でも、自分の側にいてほしいという気持ちが強いあたり完全なる自己犠牲ではなくて、ワルワーラを支えることによって唯一無二の人になりたいという欲もあったんだろうなと思う。
ジェーヴシキンにとっては自分が惨めな思いをしてそれが辛いし耐えられないという気持ちもあったとしても、ワルワーラが側にいてくれることがなによりも幸せだったんだろうなあ。
ワルワーラは、だいぶ資金援助してもらったわりに結構手厳しいこというなぁと思うときもあった。
最後は結婚して遠くへ行ってしまったけど、あの選択自体は責められないかなって。
あのままジェーヴシキンといても共倒れしてただろうし、長い目でみれば結婚したほうがお互いのためになったのかなとは思う。
ブイコフ氏はパワハラモラハラが凄そうな感じがしてるから、精神面で幸せになるのは難しそうなかんじはしたけど、少なくとも金銭面では今よりは助かるんだろうし。
昔は今と違って遠くへ行ってしまったらそんなに簡単にやりとりしたり会えたりはできないしすごく辛い選択だったんだろうとはおもうけど。
それにしても『白夜』でもそうだったけど、悲惨な女性に一生懸命尽くした男性が最後置いていかれる話がドストエフスキーは好きなんだろうか…?
- 感想投稿日 : 2022年12月19日
- 読了日 : 2022年12月19日
- 本棚登録日 : 2022年12月19日
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