MOUSE (ハヤカワ文庫 JA マ 5-1)

著者 :
  • 早川書房 (1996年2月15日発売)
3.82
  • (45)
  • (31)
  • (49)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 380
感想 : 33
4

ドラッグによるトリップ感覚の描写が新鮮だった(とくに五感のそれぞれが入り交じって、音声を色で感じたりするところなど)。舞台設定はそれほど新しいものではないが(この辺に関してはマンガのほうが確実に先を行っている)、18才になったら出ていかなければならないという設定が、子供という刹那的で限定された存在をうまく表している。中盤がちょっとダレたが、最終話でマイティマウスが復活するところは、ビシッと決まっていてかっこよかった。19960927

-----
最終話のマイティマウス登場のあと、マウスたちのシンクロの最後にツクヨミとチハルが叫ぶのがかっこいい。「言葉で戦う」という発想は新しく、あふれる言葉のイメージもそれっぽいが、ちょっとゴシック趣味が入っているのが苦手(マウスたちのファッションについての記述もそう)。最後に銀色の巨人が現れて、機動隊を踏みつけていくというラストはちょっといただけない。やっぱり言葉に関するような形でかっこよく締めくくって欲しかった。共感覚のイメージはいろいろと使えそう。解説では「意識の変容(アルタード・ステーツ)」について書いてあったが、ティモシー・リアリーとかそのあたりの本も読んでみたい。20020822

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・雑誌
感想投稿日 : 2018年10月15日
読了日 : 1996年9月27日
本棚登録日 : 2018年10月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする