クリスマス・キャロル (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社 (2006年11月9日発売)
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所々泣いてしまう。良い話である。

しかし、良かったと思う一方、斜めに見ている自分がいる。

スクルージは頑固で人に無関心、冷たいけど、悪人ではない。
周囲の人はそんなスクルージを変人扱い程度でたいして憎んでいるわけでもない。
だから、成り立つ話ではないかと思う。

例えば、スクルージが人に対して、罵詈雑言を何度も浴びせる人だったら?もし、何度も暴力を振るう人だったら?何度も金を借りに来る人だったら?などなど…
何度無言で許しても、何度もそうやって酷い目にあわせる人だったら?
謝罪もなく、突然調子よく愛想を振りまいてこられて、周囲は許せるのだろうか。

周囲が許せる範囲であれば安全だけど、許せない範囲であれば、なかなかこうはいかないのではないだろうか。
…という考えもよぎってしまった。

でも、ともかく、悪人ではないスクルージのような人の設定であれば、この話はとても心に響くものだと思う。
クリスマス前に毎年読み返してもいいかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典文学(海外)
感想投稿日 : 2015年12月1日
読了日 : 2015年12月1日
本棚登録日 : 2015年11月30日

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