ブレイブ・ストーリー(下)

著者 :
  • 角川書店 (2003年3月5日発売)
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本棚登録 : 3251
感想 : 264
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ファンタジー小説であるが子供向けではなく、大人向けの物語だと感じた。主人公の亘は小学生であるが、直面する現実は大人が読んでも重く、胸が痛くなる。もし自分がこんな現実に直面したら、乗り越えられるだろうか。そう思う程に。それは亘がいい子だから余計に感じた。読んでいて嫌味など全く感じさせない主人公。小学生らしい純粋な視線で情景や心情が描かれている。終始応援したくなった。
亘は幻界の旅を通して出会いや別れを経験し、精神的に強く成長していく。幻界で出会うキ・キーマやミーナなどのキャラクターも魅力的で、彼らとの友情や絆を強く感じられた。
最終的に亘は、不運な自分の運命を変えるのではなく、幻界の世界を救うことを選ぶ。自分の運命を都合良く変えても、自分が変わらなければまた悲しいことや辛いことが起きても乗り越えられないから。
この物語は現実と向き合い、そっと背中を押してくれる勇気の話。ブレイブストーリーというタイトルの通りに。
長いストーリーだったが、この本に出会えて
良かった。読んで良かった。そう思える。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年10月13日
読了日 : 2021年10月13日
本棚登録日 : 2021年10月13日

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