ブラウン神父の童心 (創元推理文庫 110-1)

  • 東京創元社 (1982年2月1日発売)
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本棚登録 : 851
感想 : 84
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「儚い羊たちの祝宴」の「五十鈴の誉れ」に登場した「イズレイル・ガウ」
「イズレイル・ガウの誉れ」が収録されているので、五十鈴がどういう意味であの名前をあげたのか…と読んでみた

耳の遠い、他のものとも殆ど話さない、実直な使用人ガウは遺言のみを尊重し、自分の取り分だけ取った

ここからすると五十鈴は主人の父の言葉を重んじ、お嬢さんの教えた「始めちょろちょろ~」を忠実に守った…とも読めるが、彼女の真意(守りたいというのはわかったが)は結局よくわからん


「イズレイル~」は他の話に比べて、筋が通ってわかりやすい
短編集で、人物に感情移入出来る程の描写も魅力もなく、トリックを書くための話…という感じの本
最近のミステリーとはだいぶ違うのが古典らしいが、こういう、「素人にはわからないものを使った」トリックでないのが好感
今迄で一番論理的な推理もの(というか謎解きか?)と思ったのは有栖川の短編で、青いサファイアガラス風防の腕時計の話
一般人にはわからんよ!と思ったのが、犀川教授シリーズの「常温で溶ける金属」の話


ブラウン神父、元悪党のフラウボウの関係がわかる始め数本と、評価高めの「折れた剣」のみ読んだ

私がべらぼうに眠かったせいもあるが、「折れた剣」は結構心理に根ざしたトリックだったにも関わらず、本を4回も手放した…眠ってしまって…

「飛ぶ星」
「悪は堕落する。義賊でも、しまいにはケチな小悪党になりさがる」というようなくだりが印象的

「折れた剣」
「賢い人は小石をどこに隠す?」「浜辺に」「賢い人は樹の葉をどこに隠す?」「森に」
これが、「木を隠すには森」の由来というのは本当か?

「目から鱗」は聖書に「目から鱗のようなもの」が剥がれ落ちたとあるのを確認済み

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー・ホラー
感想投稿日 : 2011年6月26日
読了日 : 2011年5月31日
本棚登録日 : 2011年5月22日

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