美の呪力 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2004年2月28日発売)
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本棚登録 : 617
感想 : 39

2月にあった岡本太郎展のグッズ販売で、いいなと思った手ぬぐいが売り切れていて腹立ち紛れに手にとったこの本が思いのほか凄くて買って帰った。

縄文土器の美を公に広めたのが彼だというのはよく知られているけど、他にも仮面、火、石、あやとり、戦国時代の兜といった事象に感受性を刺激されていることに共感。太陽の塔って謎めいている。その謎めき加減はこういう太古から通じる、はっきりとは表にでてこない感覚、恐ろしさの入り混じった感覚につながっているんだなと思った。


この前投稿した「ゆふ」という画集にも同じようなことが書かれていたんだけど、「没入する自分を客観視する、俯瞰する目、遊びがあってこその芸術」ということをタロウさんもおっしゃっている。古典芸能や演劇やバレエを見に行くのに、お話の筋や登場人物を見るというよりそれを役者やダンサーがどう演じるかというほうに興味があって見に行く。なるほどなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年4月23日
読了日 : 2021年4月23日
本棚登録日 : 2021年4月23日

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