口福のレシピ

著者 :
  • 小学館 (2020年8月21日発売)
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本棚登録 : 1583
感想 : 165
5

大大大満足の☆5。
原田ひ香さん、脱帽です。

駆け出し料理研究家・留希子と、
老舗料理学校「品川料理学園」を経営する母と祖母。
相容れない両者の間に隠された秘密とは。

大好きな原田ひ香さんの作品を読みたく購入した1冊。
これは良すぎてなんと感想をまとめればよいのか。。。

まだ日本に洋式文化が浸透していない昭和初期の洋食研究の試行錯誤と
老舗料理学校の血を受け継ぐ料理研究家の留希子の現代のストーリーを行ったり来たり。

ストーリーが行ったり来たりの構成ってあまり好きではないんだけど、
これは綺麗に構成されている、素晴らしいです。
詰めの甘さを感じさせない圧巻(上からでごめんなさい)

昭和初期、肉はデパートに行かなければ売っておらず、
トマトやセロリなど海外由来の野菜は
農学部を置いている大学で実験的に作られたものが
売られるくらいだったと本には書いてあります。
洋食を作るにしても情報も少なく試行錯誤したのだとか。
料理1つとっても色々な物語があるのですね。

この本を読むと食の進化って凄いと感じます。
そしてその進化に人間もついていく、
というか人間が進化しようとするから食も文化も進化するのかもしれません。

癒されようと軽く読んだ1冊、
こんなに感動と温かさを貰えるとは。
お料理も素敵でしたが人間関係のストーリーに釘付けでした。
この余韻からまだ抜け出せそうにないです。

3年悩んだ末にようやく本棚を買ったので
お気に入りコーナーに陳列です♪
(寸法をミスったのであと数冊しかはいりません。。泣)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年3月14日
読了日 : 2023年3月14日
本棚登録日 : 2023年3月9日

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