名探偵(?)榎木津礼二郎が取り仕切る事件3篇。ある視点からは非常に辛い出来事も、馬鹿馬鹿しいまでに破天荒な解決の最中に落とし込まれて愉快に昇華してしまっている。
3篇共通の視点者は最後まで偽名やらなんやらで正しい呼び名がなかなか出てこないが、周囲のキャラクターが強烈なので問題がない。まったくの外野からは、榎木津を取り巻く面々はこう見えるんだなあ、と新鮮な気持ちを抱くとともに、近づくだけで巻き込まれる榎木津の求心力の末恐ろしさに震えた。
中禅寺も几帳面に滑稽な計画に乗っかったりと、いつもと違った側面が見えて興味深い。年始から寝込んでいて中々活字が拾えなかったが、ゆっくり読み進めたりするのに(いつもの百鬼夜行より)ちょうど良かった……。あと体調不良で鬱々とした気分もある程度散らせたので、榎木津礼二郎様々である。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
講談社文庫
- 感想投稿日 : 2024年2月9日
- 読了日 : 2024年2月8日
- 本棚登録日 : 2024年2月8日
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