現代語訳 論語と算盤 (ちくま新書)

  • 筑摩書房 (2010年2月8日発売)
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大河ドラマみとけばよかった

実業家で約480社もの企業の創立、発展に貢献。また経済団体を組織し、商業学校を創立するなど実業界の社会的向上に努めた。埼玉県深谷の出身ということで、なんとなく名前は知っていたけど、こんな人だったなんて知らなかった。

“お金とは大切にすべきものであり、同時に軽蔑すべきものでもある。では、どうすれば大切にすべきものとなるのか。それを決めるのは全て所有者の人格によるのである。ところが、世間は、大切にすると言う意味を間違って解釈し、ひたすらケチに徹してしまう人がいる。これは本当に注意すべきことだ”

“自分を磨けば磨くほど、その人は何かを判断する際に、善悪がはっきりわかるようになる。だから、選択肢に迷うことなく、ごく自然に決断できるようになるのである”

“教育の方針もやや意義を取り違えてしまったところがある。むやみに、詰め込む知識教育でよしとしているから、似たり寄ったりの人材ばかり生まれるようになったのだ”

『論語』を読んでみたくなる

人の道とか、倫理とか道徳とか。武士道とか仁義とか、そういったものに通ずる「芯」のようなものか。

人の心を持って、経済に貢献し、社会を向上させること。
その心持ちのことを話している。

この時代でも「今の若いやつはなってない。俺たちが若い頃はもっと苦労したもんだ」的なことを言っていて、しかも、「それよりもっと若いヤツの中には光るやつがたまにいる」というのまで含めて、どの時代も同じだなと思った。

学ぶことは、何のためにしているのか。自分で考える力をつけるためだ。「どうすることが正解なのか?」ということをすぐに求めがちだけど、正解を見つけるために、あれこれ考えて、やってみて、また考えて、やってみる。そのことが正解に近づくことだし、そのこと自体が正解なんじゃないかと思う。

“先の見えない時代に、どう生きるべきか?”

帯にもあるが、いつの時代だって先なんか見えてないし、生きていく中で、その不安と付き合っていく力を身につけることが大事なんじゃないか。

そんなことを考えさせられた本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月23日
読了日 : 2023年2月23日
本棚登録日 : 2023年2月23日

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