悲しみよ こんにちは (新潮文庫)

  • 新潮社 (2008年12月20日発売)
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人間は多様な面(キャラクター)をもっている。けれども他人からはその一面しか普通は見ることはできないし、それでその人を見ようとする。セシルはアンナを超然とした人という面だけでとらえていた。だからこそあんなに残酷な行為ができたのだと思う。きっとセシルはアンナが死ぬなんて思っていなかった。アンナが立ち直れないほどショックを受けるなんて考えもしなかっただろう。だからこそアンナが傷ついて走ってきたとき懸命に謝罪し励まそうとしたのだろう。アンナのそんな姿を想像できなかったからこそ、アンナを傷つけてしまったのだということがそこでわかったのだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年6月27日
読了日 : 2016年6月9日
本棚登録日 : 2016年6月9日

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