髑髏城 (創元推理文庫 118-12)

  • 東京創元社 (1959年7月1日発売)
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感想 : 11
3

勿体つけた言い回し、意味深な台詞、探偵たちの隠し事の多さ!
読むのに意外にも時間がかかってしまった。

ライン川の河畔に建つ髑髏城。
稀代の魔術師メイルジャアが改築したが、彼はライン川に変死体となって浮かぶ。
跡をついだ俳優、アリソンが火に包まれながら、城壁から転落し、探偵バンコランに真相解明の依頼がくる。

久しぶりのこの世界観。
明かりは蝋燭で揺れ、外は嵐で荒れる。
人間関係は複雑に絡み合い、探偵たちは火花を散らす。
ライン川のクルーズ。昼から泡を6インチも高く盛り上げたビール。裏山の散策。
音楽を聴きながらのトランプゲーム。
事件が絡んでなければ、優雅な時間。
フォン・アルンハイムの仕組んだ晩餐会の怪しげなきらびやかさ。
その描写にうっとりしつつ、終盤のジリジリと緊張感が漂う髑髏城。
最後の切なさが読後に余韻を醸し出す。
面白かった!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年10月6日
読了日 : 2015年10月6日
本棚登録日 : 2015年9月25日

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