「私」は脳ではない 21世紀のための精神の哲学 (講談社選書メチエ)

  • 講談社 (2019年9月12日発売)
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本棚登録 : 512
感想 : 15
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哲学系の勉強をしている友人が
神経科学を専攻している人にこの本はどう写るか気になる、と言われて読んでみた。

作者は神経科学の中でもすごく極端な立場の人をあげていないか?と思ってしまった。筆者の主張はもちろん分かるのだけど、批判の対象が神経科学なのが全然納得できない〜

最初の導入部分で自然主義と反自然主義の議論を、
精神と神経活動の議論にすり替えているように思えてしまって
ずーっとひっかかってしまった。
筆者が批判すべきは方法論的自然主義なのでは。

別に脳の働きで人間の営みが全て説明できるだなんて思っていないし、
神経科学と精神哲学は排他的なものじゃない
本文で例に出されている友情とか、美や幸福とか、
現時点で科学の土台にのせられていないものはたくさんあるし
科学やその領域について議論していないよと思う
少なくとも神経科学を専攻した私も、
私を指導してくださった先生もそういう立場

あんまり冷静に読めなかったので
落ち着いたらもう一度読もうかな、でも少し心が挫けそう...

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月23日
読了日 : 2022年2月13日
本棚登録日 : 2021年10月15日

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