金持ちの家に生まれ育ったグレディは夏のニューヨークにひとりで残ることにした。父親と母親は船でヨーロッパへ行った。
グレディの恋人、クライドは駐車場で働いている。金持ちじゃない。有名な野球選手にも有名な弁護士にもなれなかったこと、発育障害だった姉の死、色んな過去が彼に影を落とす。
グレディの幼馴染、ピーターは彼女を心配している。美人だけど、わがままな彼女はいつかトラブルに巻き込まれてしまう、と。
クライドは自分の手首にグレディの名前を彫った。グレディもクライドもメンタルがボロボロ。クライドの友人、ガンプがくれたドラックを吸ってハイになった。ピーターも駆け付けたけど、なんやかんやで一緒の車に乗って暴走する。まるで落ちていくように。まるで死んでいくように。
-----------------------------------------------
上流階級のグレディが堕ちていき、彼女の周りにいた男たちも道連れになる。すべてはバッドエンドに向かうための前フリだった。うーん、とっても破天荒。
物語のラストの衝撃もそうだけど、巻末に書かれていたトルーマン・カポーティ氏の人生も衝撃的だった。地位と名声、そして酒とドラッグ。まさに破天荒。
カポーティ氏本人が発表したくないと言っていたこの作品をこうやって読めることに対して、どう思うべきなのかわからない。来年はトルーマン・カポーティ生誕100周年だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
世界文学
- 感想投稿日 : 2022年9月18日
- 読了日 : 2022年9月18日
- 本棚登録日 : 2022年9月18日
みんなの感想をみる