舞姫 ―森 鴎外珠玉選― (講談社青い鳥文庫)

  • 講談社 (2011年2月10日発売)
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感想 : 1
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児童書版なので、ものすごく解りやすい現代語訳がされていてとても読みやすかったです。原文の文語体で書かれたものが読みたいというこだわりのない人、手っ取り早く内容だけ知りたいという人は十分だと思います。
高校の授業でやったときの感想は「豊太郎サイテー」だったんですが、今読んだらどうだろうと思って読んだらやっぱり最初に来るのは「豊太郎サイテー」でした。出世と恋愛、どちらを取るかで葛藤し、結局は仕事をとった豊太郎の苦悩を描いているのだと今となればわかりますが、これを高校の授業でやって豊太郎の苦悩をわかれといっても到底無理な話だった…
「舞姫」を再読したくて読んだのですが、「高瀬舟」と「山椒大夫」がすごくよかった。むしろ「舞姫」よりも「高瀬舟」を授業でやるべきだと思いました(教科書によっては載ってたらしいのですが)人の欲望は限りがない、というくだりはまさに人間の真理をついているようでハッとさせられました。
しかし作品とこの挿絵のギャップが…いや可愛い絵ですけども。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学作品
感想投稿日 : 2012年6月12日
読了日 : 2012年6月12日
本棚登録日 : 2012年6月12日

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