エムブリヲ奇譚 (幽BOOKS)

著者 :
  • メディアファクトリー (2012年3月2日発売)
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本棚登録 : 717
感想 : 118
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妖しくも美しい表紙絵に惹かれて思わず手に取りました。
旅本執筆の為に秘境の温泉を探して行脚する和泉蠟庵と荷物持ちの耳彦が道中迷い込んだ土地で体験した不思議な出来事を綴った短編集。
ひやりと背筋が寒くなるような不思議な話ばかりで面白かったです。もう一度その土地に行こうとしてもたどり着けないというのがまた不思議で怖い。
蠟庵先生の清々しい程の迷いっぷりには何度も噴き出してしまった。山道を登ってたはずなのに突然海に出たり、まっすぐ進んでいるはずなのに元の位置に戻ってきてしまったり…この物語で一番謎なのは蠟庵先生自身だと思いました。読み終わった後も続編が読みたいと思える本でした。
著者は某作家の別名義だそうで、どうりで納得の面白さ。
表紙もさることながら、遊び紙の色とかしおりの紐まで凝ってて素敵な本でした。こういう楽しみはやっぱ紙の本ならではだなぁとしみじみ思います。電子書籍では味わえない楽しみ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー
感想投稿日 : 2013年4月4日
読了日 : 2013年4月4日
本棚登録日 : 2013年4月4日

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