幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えII

  • ダイヤモンド社 (2016年2月26日発売)
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しばらく前に、思い切って入ってみたオンラインスクール。
スクール本来の主旨は別のところにあるけれど、活動に参加する中で、本を紹介いただくことが増えて、良い刺激になっています。
今まで、自分で選ぶか、新聞・雑誌・ネットなどの書評を頼りに選ぶことが多かったから、その中間くらいの距離感ーーまったく違う場所に住んでいたり仕事をしていたりするけれど、共通の関心事があるーーで本をすすめてもらうのが、すごく新鮮で!
この『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の2冊も、その活動の中でおすすめいただいて、読まなきゃ! となった本です。

本書は、オーストリア出身の精神科医・アルフレッド・アドラーが20世紀初頭に創設した「個人心理学」を、青年と哲人の対話という形をとった物語で紹介する本。
『嫌われる勇気』はアドラー心理学の概要を説明し、『幸せになる勇気』はアドラーの教えを実践するための考え方を解いています。
とにかく「青年」のキャラがすごい(笑)。
しょっちゅう「わたしは自分が嫌いです!」などと毒づいているけれど、超秀逸なインタビュアーで、読者の気持ちを次々と代弁して、問いを哲人に投げかけています。
おかげで、ともすれば、「ふうーん……」とよくわからないまま、なんとなく読み終わってしまいそうな内容を、自分に引き付けて読むことができました。
対話形式って、すごい。

個人的に面白かったのは、「自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである」という目的論の考え方と、「他者を愛する技術」としての愛の捉え方。
悩んだとき、よく「何が悪かったんだろう」とか「どうしてこうなったんだろう」と考えてしまうことが多いけれど、それって良し悪しで。
客観的な状況の把握も大切だけれど、気持ちの面では、自分の外側にある事柄について考えすぎるより、自分の中に目を向けて行動を選択したほうが、ずっと気持ちもしばられず、楽にいられる……のかも、しれない。
ちょっと歯切れが悪くなってしまうのは、私がしょっちゅう勇気が足りなくてうじうじしているからなんですが、日々試練に向き合うことこそ、前に進むことにつながっていくと考えられたら、すごく勇気づけられるし救われるなーと思いました。

文中で紹介されていたエーリッヒ・フロムの『愛の技術』が気になって検索してみたら、ちょうど今年・2020年の8月に新訳が発行されていたので、また機会を見つけて読めたらと思っています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年10月27日
読了日 : 2020年10月26日
本棚登録日 : 2020年10月26日

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