ピーター・パン・シンドローム

  • 祥伝社 (1984年1月1日発売)
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感想 : 6
5

20230907
 この本の内容は「アダルトチルドレン」とか「モラトリアム人間」とかと同じことを言っているのだと思う。

 あと、ピーターパン人間には二種類あって、無責任な女好きタイプ(世間で一般的に考えられているピーターパンタイプ)と、逆に超ワーカーホリックで融通が利かない、日本にも多いタイプがあるということが分かった。

 どちらも弱い情けない自分を正当化するため、悪いのは自分ではなく相手(ことに女性)ということにするのが特徴である。
 一昔まえに「母源病」なる本が流行ったが、すべての原因を母親だけのせいにしてしまうところが非常にピーターパンコンプレックス的なんだなあと思った。

 ダン・カイリー氏は独特のポジティブ感で、ピーターパン諸氏がどんなことを考えていて苦しんでいるか、またどうやってその苦しみから脱出するかということに焦点を当ててくれる。

 ピーターパン諸氏は人の話(特にこちらが女性である場合は)をほとんど聞いていないように見える。が、本当は聞いていて、理解はできなくとも、その言葉を覚えていたりもするらしい。
 
 だから、こいつは人の話聞いてないなと思わず、我慢せず、ちゃんと理解できるように言ったほうがよい。ある日突然、なにかのきっかけでそれらが全部つながることがあるみたいだから。

一回目;

 この本は大ヒット! 目からうろこが120枚くらい落ちた。
あと、脚本のネタ本として秀逸。いますぐにでも映画の三~四本は作れそう。
でも、私が知らないだけで、もうすでに何本か作られているのかもしれない。バッドエンドではあるけど「アメリカンビューティ」とか。

 できれば;
ハッピーエンドで、
日本人にむいた
作品を作れるといいけれども。

 被害者(というかピーターパン・シンドロームの方本人)が内心どんなふうに苦しんでいるか、ということが深く描写されている点が秀逸だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ピーターパン・シンドローム
感想投稿日 : 2023年8月4日
読了日 : 2023年8月4日
本棚登録日 : 2023年9月7日

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