ずいぶん前に読んだものの再読。
前半部分しか憶えていなかった。
それと、「物語を必要とするのは、不幸な人間である」という、ものすごく印象に残っている言葉を知ったのは、どうやらこの本だったらしい、ということがわかった。
ミルカとユーリクは、最後に薔薇の僧院で再会するように記憶していたんだけど、ぜんぜん違った!それこそ私の脳が勝手につくった物語だ。
前半をよく憶えているのは、私の好きな「物語」だからだろう。薔薇の咲き乱れる僧院という箱庭、アンネの日記のようなミルカの生活、いい人そうなホフマンさん。
最終的に、ミルカとユーリクは「現実」へ戻っていく。
ヨリンゲルたちは僧院に残るけれども、それは「物語」ではなく、続いていく「日常」だ。
ナタニエルだけが、「物語」を追い続ける。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年2月21日
- 読了日 : 2024年2月21日
- 本棚登録日 : 2024年2月21日
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