薔薇密室 (ハヤカワ文庫 JA ミ)

著者 :
  • 早川書房 (2012年4月5日発売)
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本棚登録 : 504
感想 : 41
4

ずいぶん前に読んだものの再読。
前半部分しか憶えていなかった。
それと、「物語を必要とするのは、不幸な人間である」という、ものすごく印象に残っている言葉を知ったのは、どうやらこの本だったらしい、ということがわかった。
ミルカとユーリクは、最後に薔薇の僧院で再会するように記憶していたんだけど、ぜんぜん違った!それこそ私の脳が勝手につくった物語だ。
前半をよく憶えているのは、私の好きな「物語」だからだろう。薔薇の咲き乱れる僧院という箱庭、アンネの日記のようなミルカの生活、いい人そうなホフマンさん。

最終的に、ミルカとユーリクは「現実」へ戻っていく。
ヨリンゲルたちは僧院に残るけれども、それは「物語」ではなく、続いていく「日常」だ。
ナタニエルだけが、「物語」を追い続ける。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月21日
読了日 : 2024年2月21日
本棚登録日 : 2024年2月21日

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