破戒 (岩波文庫 緑 23-2)

著者 :
  • 岩波書店 (2002年10月16日発売)
3.75
  • (40)
  • (59)
  • (72)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 648
感想 : 66
4

破戒
(和書)2009年02月12日 21:00
2002 岩波書店 島崎 藤村


以前から読もうと思っていて、でもなんだか怖く難解な本ではないかと思いながらなかなか読まずにいました。思っていたより読み易く内容的にも怖い話ではなかった。

「たとえいかなる目を見ようと、いかなる人に邂逅おうと決してそれとは自白けるな、一旦の憤怒悲哀にこの戒め忘れたら、その時こそ社会から捨てられたものと思え。」

この戒めを破ることを「破戒」といっている。主人公、丑松が破戒を決意し実践する場面では読んでいて目に涙を浮かべてしまいました。

ただ文学としてそれが思想・世界思想・文学として成立するには宗教の批判(マルクス)というものが必要になると思うのでこの階級闘争には普遍性があるのだろうと思う。大西巨人の作品にもこれらを扱った作品があったしこの作品に触れたものもあったと記憶している。なかなか読まずにいたので読み終わってすっきりしました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月25日
読了日 : 2009年2月12日
本棚登録日 : 2020年9月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする