変身 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1952年7月28日発売)
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うん! なんかむず痒い!
この小説を一発で読んで、自分の言葉で理解している人達はすごい!僕には出来ない。

置いてけぼり。何もかも置いてけぼり。ひとつの家族という形が「変身」を通して変化していく様が、本当にじっくり書かれていた。事実のように、淡々と書く筆致は、僕の思考をどっちかというと止めた。むしろ感情的に、このあまりにもリアルな不条理を肌で感じ、なんとも言えない気持ちになったし、こういう家族って、凄く今にも存在している気がするなってぼんやり思うくらい!
他は、置いてけぼりだからよく分かんない!が今の感情。 でも、不条理とかってこういうものな気がする。

そう思わせるそのリアリティが凄い。けどここから僕は一体どう受け取ろう。何を繋げて行こう。よく分からない重たい不条理を、混乱している頭を、日々の生活で少しづつ整理して行くしかない……か。

別に小説って、何かを学ぶものでは無いけども、この軽く書かれた重たい小説からは何かを学びたいなと思っている自分がいます。ああ、混乱。


追記、なんでこの小説をカフカは書いたんだろう。
そう思った時、カフカはずっと自分の中の家での立ち位置について考えたのかなって思った。
ずっと働いて、家にお金を入れて、そうやって家族に尽くしてきた自分が、急に変わり果てて、全く働くことも出来ない、扱いに困るものになってしまった時、どうなるのだろうか。そんなことを考えて、考えてこういった小説を書いたのかなって思った。

正しいかは分からないけど、カフカの考える家族の形、残酷さ、移りみ、そういったものが、描かれていたのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月26日
読了日 : 2023年2月26日
本棚登録日 : 2023年2月26日

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