特別な能力を持つ兄、弟、弟の彼女、3人の日常を綴った物語、魔王。
数年後、兄とは違った特性に気づいた弟と妻(元彼女)の日常を綴った物語、呼吸。
2つの物語が上手に絡み合い、素敵な構成となっている。
2人、時には3人の会話には、独特な時間の流れがあり、幻想的な空間に包まれた。
別々な行き方を選んだ兄弟であったが、お互いを尊敬し、信頼しあっていた。
弟は兄からもらってきた沢山の言葉を胸の中に大事にしまっておき、場面場面でその言葉を取り出し、彼との繋がりを宝物のように大切にする。
言葉による繋がりは永遠であり、何ものにも変えられない。愛情に満ち溢れるものだと思った。
伊坂幸太郎は、物語の中に小説や音楽を取り入れる。今回は宮沢賢治。素敵な詩の世界に触れることができ、心が満たされる思いだった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2023年7月〜9月
- 感想投稿日 : 2023年9月11日
- 読了日 : 2023年9月11日
- 本棚登録日 : 2023年9月11日
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