吉川英治さんの三国志は何度か読んでいたのですが、北方さんの三国志は、なんとなく今まで読まないままできました。
今までなんで読まなかったんだろう!?
と後悔するくらいに面白かったです!
所謂吉川三国志とは、だいぶ視点が違う感じで、生きている人間感が強く感じられます。
戦法がこうで、戦略がこうでという描写ももちろんありますが、やっぱり印象に残るのは人間臭さ。劉備、張飛、呂布と、それぞれに「おっ」と思うような性格付けがされています。
思い返してみて、今まで読んだ三国志は、
一騎打ちが!
奇略が!
という面が押し出されているものが多かったですが、本書では、例えば華雄なんて、どんな武将なのかの説明すらないですし、呂布と張飛・関羽の三つ巴すら、ひどくあっさりと描かれています。
それでも、そこに重点を置いてない事は、この本の魅力を損なう理由にはなりませんでしたし、読み慣れた三国志に色がついたような感覚さえありました。それほどに、心理描写が面白いです。
そして、文章の熱さには、絶対一気読みさせられてしまうと思いますよ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史・時代小説
- 感想投稿日 : 2012年6月21日
- 読了日 : 2012年6月21日
- 本棚登録日 : 2012年6月21日
みんなの感想をみる