アクロイド殺し (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 3)

  • 早川書房 (2003年12月15日発売)
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本棚登録 : 7793
感想 : 711
3

考えてみたら書籍では、人生初のアガサクリスティ。

(『恐るべき太陽』の為に、このレビューをネタバレ扱いとする)


何故本書を読んだかというと、『恐るべき太陽』(ミシェル・ビュッシ著)を読む前に本書『アクロイド殺し』と『そして誰もいなくなった』を読んでおいた方がいいという情報をブクログレビューで目にしたからだったはず。

「はず」というのは、今、本書読了後に『恐るべき太陽』のレビューで私がいいね!を既に押させてもらっているレビューを改めて拝見したところ、『そして誰もいなくなった』の文字は有るが『アクロイド殺し』の文字は無かったからだ。

あれ?
『恐るべき太陽』を読む前に『アクロイド殺し』と『そして誰もいなくなった』を読んでおいた方がいいという情報を、一体私はどこから拾ってきたのだろうか…

ブクログからAmazonに飛んでレビューを見たら、そこにあった。
ただし、『アクロイド殺し』と『そして誰もいなくなった』を事前に読めということではなく、『恐るべき太陽』の文中にかなりこの2作のネタバレっぽいことが書いてあるのはいかがなものか?というようなことであった。
私がそれを拝見して、「だったら先にこの2作を読んでおかなくちゃ」と勝手に判断したのだ。
そのレビューを書いた方にも申し訳ない。
自分の解釈も記憶力もヤバい。

まあ、いいや。
とにかく本書を読み終わった。
新訳のお陰か、約100年前の作品とは思えないくらい、すんなり普通に読めた。
(よっぽど『点と線』や『ゼロの焦点』の方が舞台が現代と違い過ぎて、頭がついていけなかった。
松本清張氏のせいではなく、時代の古さのせいで)
本書はその昭和30年代よりもずっと昔に書かれたにもかかわらず、あまり近代文明の発達とは関係のない舞台で話がちまちま進んでいるからすんなり読めたのだと思う。

初アガサクリスティだが、早い段階で犯人はこの人だろうと思い、その観点からずっとポワロの言動を読んでいた。
正解だったのだが、巻末の解説を読んでみて思ったのは、いくらアガサクリスティは初読みだと言っても、おそらくこの100年の間にバンバン出版されてきた推理小説の多くに似たような手法が踏襲されていて、私も知らず知らずその形式の推理小説を沢山読んできて単に耐性ができでいたからに過ぎないということだ。
だから全く「ずるい」とは思わなかった。
当時は賛否両論で大騒ぎだったらしいが、この100年の間に間接的に浸透し、受け入れられてきたのだから、恐るべしアガサクリスティ『アクロイド殺し』

全く怪しくないキャロラインという登場人物。
噂好き、詮索好き、度を越した知りたがり。
キャロラインの友達も、村全体もそんな感じ。
こういうキャロラインみたいな人を私は大嫌いなのだが、でも、このキャロライン、たぶん優しい人ではある。
(色々と真髄に迫ってもいるが、一番の真相にだけは到達できておらず、哀れであり、可哀想である)

さて、どうやら間違って借りてしまった『アクロイド殺し』ではあったのだが、面白かったので良し。

そして『恐るべき太陽』は図書館に早くから予約を入れていたので、図書館新規購入の1番で借りることができて、今もう手元にある。
そして肝心の『そして誰もいなくなった』(児童書)は予約を入れて待っているところだが、貸出中でまだまわってきていない。

この状態で『恐るべき太陽』へ。
読みにくいとおっしゃっているレビューも見受けられるので、なんとなく私にとっても苦手かもしれない…

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・物語 (時代小説はこちら)
感想投稿日 : 2023年9月23日
読了日 : 2023年9月23日
本棚登録日 : 2023年9月23日

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