アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房
3.92
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本棚登録 : 5691
感想 : 585
  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784151300035

作品紹介・あらすじ

深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を…驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場。

感想・レビュー・書評

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  • 「この部屋の全員が何かを隠していらっしゃるのです。あなた方全員にお願いします。真実を語ってくださいーー包み隠さず」

    深夜、シェパード医師のもとにかかってきた執事を名乗る電話。すぐに駆けつけると、村の名士アクロイド氏が短剣で殺害された姿で見つかった。死亡推定時刻は、午後9時45分から午後10時。事件前に付近で目撃されながら行方不明となっているアクロイド氏の養子ラルフが容疑者とされる。
    シェパード医師は、隣に引っ越してきた変人が名探偵ポアロであると知り、共に真相の解明に乗り出すがー。

    本作のワトソン君は、シェパード医師。ヘイスティングズは名前だけしか出てこない。
    ポアロのもったいぶった物言いや仕草にもだいぶ慣れてきて、登場すると思わずニヤッとなる。

    部屋から盗まれたフェラーズ夫人の青い封筒の手紙。
    位置の変わっていた安楽椅子。
    急に暇をとらされたメイド。
    外から走ってきたらしい家政婦。
    開いていたシルヴァー・テーブルの蓋。
    キングス・アボット駅からかけられた偽りの電話。
    東屋に残されていた白い木綿の端切れと、羽軸のついた羽根。
    アクロイド氏が殺される前に部屋から聞こえた話し声。
    シェパード医師の姉が森で盗み聞きした男女の声。
    行方不明の40ポンド。
    捨てられた「Rより」の指輪。

    謎の断片が拾われていくけれど、一体何がどう繋がるのかさっぱりわからない。
    どの人もこの人もなんだか怪しい。
    冒頭に引用したポアロの言葉のとおり、包み隠さずに真実を話している人はいないのだ。
    人は、たとえそれが殺人事件とは関係なくても、別の意図によって、後ろめたいことは隠そうとする。本作で登場する人たちは皆、人に知られたくないことのある人たちなのだ。
    ポアロは巧妙に言い繕われた中から、真実を洗い出していく。その推理はいつもに増して鮮やか。
    それにしても、位置の変わっていた安楽椅子がそんな意味を持っていたなんて。

    でも、断片の繋がりはわからずとも、私にしては珍しく、犯人はわかってしまった。今思うと、このアクロイド殺しのオマージュだったのかなと思うが、似たようなトリックものを読んだことがあったのだ。できれば最後にびっくり、わぁ!ってなりたかった。
    結末は物悲しかった。

  • 地主アクロイドの死をめぐり、名探偵ポアロが真相を暴く。語り手がなぜ彼なのか、、と終始疑問に思いながら読み進めていたが、そういうことだったのか。解説を読んではじめて、この小説の精巧な作りがわかった。ただ、犯人は薄々気づいていたので、そこまで驚きはなかったなぁ。

  • 作家の代表作と言われるこの作品は、はじめから直感的に犯人が分かりました。なので評価は4にさせていただきました。次回に期待します。

  • The Murder of Roger Ackroyd(1926年、英)。
    ポアロ・シリーズ。アクロバティックなトリックが有名な作品で、この作品によってクリスティは推理作家としての地位を確立したと言われる。

    医師のシェパードは、村の名士アクロイド氏から相談を持ちかけられた。今朝シェパードが死亡診断した女性の本当の死因について話したい事があると言う。しかし、全てを語り終える前にアクロイドは何者かに刺殺されてしまう。そんな折、シェパードの隣に越してきた人物が探偵ポアロであることが判明し…。

    発表当時は、このトリックのフェアネスについて物議が醸されたらしい。否定的な見解もあったようだが、現在では叙述トリックの名作として認められている。いずれにせよ少なくとも小細工ではない(小細工というには、あまりに大仕掛けなので)。

  • 細かく章が分かれていて読みやすく、
    この小説が当時物議を醸したのもよく分かる非常にトリッキーなプロット。
    ただ偏りは多少あるものの、情報自体はしっかり開示されており、
    注意深く読み進めていけば、間違いなくフーダニットは解決できる。
    現代でも間違いなく楽しめる前衛的な作品。
    改めて、本当に凄い。

  • 結末知ってても面白い

  • やっと図書館が通常利用できるようになって、久々にクリスティーを数冊借りてきました。
    という事で(?)“クリスティー強化ウィーク(一人クリスティーフェアともww)”と洒落込みまして、今回はポアロもの有名作品のこちらです。

    村の名士アクロイド氏が殺害され、真相を追うことになったポアロとシェパード医師・・という展開です。
    犯人については後半“もしや・・”と予測しつつも、この話を“一人称小説”と思い込んで読んでいたので、結局最初から最後までクリスティーに騙されていた、という訳です。いやぁ参りました。
    そして個人的に本書の訳者さんとの相性も良かったようで、文体が気持ちよくスラスラ読めました。
    展開の巧妙さは勿論ですが、登場人物達のやり取りも面白く、ミステリを読む愉しさを実感した次第です。
    やっぱり、クリスティーいいですね~。ただ、冒頭に“強化ウィーク”と言っておきながら最近忙しくて本を読む時間がないんですよね・・ブツブツ。待機している“次のクリスティー”を早く読みたい私です。

    • 111108さん
      あやごぜさん、こんばんは。

      レビュー楽しく拝見しています。
      〝クリスティー強化ウィーク〟とってもいいですね‼︎‼︎応援してます♪
      うちの近...
      あやごぜさん、こんばんは。

      レビュー楽しく拝見しています。
      〝クリスティー強化ウィーク〟とってもいいですね‼︎‼︎応援してます♪
      うちの近くの図書館はクリスティーがあまり置いてなくて(20冊くらい?)強化しづらいのが残念です。
      2021/06/25
    • あやごぜさん
      111108さん♪
      コメントありがとうございます!
      111108さんは、私の中で勝手にミステリ仲間だと思っております(^-^)
      確かに...
      111108さん♪
      コメントありがとうございます!
      111108さんは、私の中で勝手にミステリ仲間だと思っております(^-^)
      確かに、図書館利用によって蔵書のラインナップ異なりますよね~。"強化ウィーク”
      応援して頂き、ありがとうございます!
      今はちょっと多忙で、読ペース遅めてすが、時間取れたらクリスティー漬けを堪能したい所存です~(*^^*)
      2021/06/26
    • 111108さん
      あやごぜさんお返事ありがとうございます!
      ミステリ仲間、とっても嬉しいです〜‼︎
      あやごぜさんお返事ありがとうございます!
      ミステリ仲間、とっても嬉しいです〜‼︎
      2021/06/26
  • 『うーん、やられた!』
    読後の率直な感想です。

    一巻から読んでみて、現在は三巻目。
    それぞれ犯人に一人として近づかない自分の想像力に、苦笑が絶えない。
    星4の理由は、ポアロの犯人に対する優しさはまるで刃のように鋭く冷たいところに、ちょっとだけ残念だった事です。
    名探偵コナンが好きな私は、あまり受け入れないけど、確かに逮捕のその後を考えると妥当ではある。
    でも、できるなら捕まって欲しかったかな。

  • この本を読む前に、三谷幸喜さんの黒井戸殺しを先にテレビで観てしまいました。その時は、そんなのあり⁉︎と思わずにいられませんでした。
    なので、今回は結末を知っている上で原作を読みましたが、できれば先に小説で出会っておきたかったと後悔しました…
    ポアロが決断をシェパード医師に委ねるところはとても良かったと思います。
    キャロラインのその後を思うと悲しくなります。

  • 真相に薄くベールがかかってはいるけれど
    騙すような書き方はしていない。

    住人たちから話を聞きまくっても
    自分は決して多くを語らず
    何かを掴んでいたとしても
    誰に何を聞かれてもはぐらかし
    真相を話すため主要人物たちを集めた場では
    「早く犯人の名前言えよ!」と
    ツッコミたくなる回りくどさで
    犯人に間接的に語りかける。
    引退後でも、あのポアロは健在だった!
    核心には触れてないけど絶妙なバランスで
    伏線がちりばめられていて
    読み進めるごとにワクワク度が増す。
    
    アガサ・クリスティーデビュー100周年。
    2020年になった今も変わらず魅了し続けるって…
    改めて考えると、めっちゃすごいことだよなぁ…
    

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