アクロイド殺し (ハヤカワ文庫)

  • 早川書房 (2003年12月12日発売)
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本 ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784151300035

感想・レビュー・書評

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  • 【ポアロ】
    2回目の方が断然面白かった!
    いや、驚いた。こんなに面白かったんだ!
    この本も20年以上前に読んで今回2回目。

    ※ネタバレにならないように書きましたが、ネタバレになってるかもしれないです。
    未読で絶対に犯人を知りたくない方はご注意ください。













    自分が倒叙ミステリーが好きなのもあるけど、1回目は★3.5だったのが、2回目は視点を変えたことで★10になった。

    犯人がわかった上で読むと、クリスティーがいかに巧みに読者にバレるかバレないかのスレスレを狙って書いているのがわかる。

    当時はアンフェアだと批判する人もいたそうだけど、2回目を読めば色々なところに手がかりや伏線が張られていることに気が付く。
    ちゃんといろいろ書いてある!
    正々堂々と読者に挑む姿に格好良さすら感じた。
    ただの読者を騙すどんでん返しだけを狙ったアンフェアな本であれば、2回目は全く読む気にならない。
    そして噂好きのキャロラインの存在があるからこそ、この物語が何倍にも面白くなっている。

    ポアロがいつ気が付いたのか?という点も予想しながら読むと面白い。気が付いてからのポアロにも注目すると楽しい。
    そして犯人の視点で読むと、面白いポイントがたくさんあって本当に楽しかった。
    古畑が好きな人は2回目を存分に楽しめると思う。
    三谷幸喜さんがリメイクドラマ『黒井戸殺し』の脚本をされているのも納得。

    ポアロに犯人を名指しされた時に、犯人は狼狽することもなく、平静を装っていて異様なプライドの高さに恐怖を感じた。
    弱すぎるゆえの自衛本能なのか…。

    そしてこのタイトル『アクロイド殺し』の「本当の意味」が2回目にしてわかった。
    わかった時に「うわっ!」と衝撃を受けた。
    何これ、やっぱりクリスティーってすごい!
    このタイトルの意味がわかった時に★10しかない‼と思った。
    これは早くも自分の中の1位『ナイルに死す』を超えてしまったかも…。

    この作品はクリスティーが3作目に書いた作品だったので驚いた。
    しかも2作目がポンコツのヘイスティングズの『ゴルフ場殺人事件』だったから、こんなに挑戦的な作家だとは当時は誰も思ってなかったんではないかと思う。
    でも1、2作目は、作品をまたいだ大きな伏線になっていたのかもと思うと、クリスティーの本当のすごさがわかる。

    倒叙が大好きなので、3回目も4回目も読みたいくらい面白かった。
    三谷幸喜さん脚本のドラマ『黒井戸殺し』(2018)も観たくなった。
    観たいけど本も読みたいし迷うなー。
    ★10
    Audibleにて。
    (Audibleのポアロのナレーターさんは、演じ分けがとても上手でわかりやすい)

    ◆メモ
    楽しそうに麻雀をしながら噂話で盛り上がるシーンがある。1926年にイギリスに麻雀があったことに驚いた。
    1920年代には麻雀がヨーロッパ全域に広がり、主に上流階級の社交ゲームとして遊ばれるようになったらしい。
    午後のお茶や麻雀を楽しんだり、イギリスの上流階級の人々は優雅で良いなぁ。

    • Naotyさん
      ひまわりさん、ありがとうございます
      (*^_^*)
      倒叙がお好きでしたらきっと2回目も楽しいと思います(^^)
      ひまわりさん、ありがとうございます
      (*^_^*)
      倒叙がお好きでしたらきっと2回目も楽しいと思います(^^)
      2024/07/06
    • けよしさん
      Naotyさん、おはようございます!
      一回も読んでないわたしが伺うのもなんなんですが、
      3回読んだらどうなるんでしょうか?
      気になって...
      Naotyさん、おはようございます!
      一回も読んでないわたしが伺うのもなんなんですが、
      3回読んだらどうなるんでしょうか?
      気になって、人体実験的視線で、Naotyさんをみてしまいします。
      一回でも読んでから聞いてこ~い!ですよね。
      失礼しました。
      2024/07/06
    • Naotyさん
      けよしさん、いつもいいね!をありがとうございます!
      人体実験的視線でというのに思わず笑ってしまいました(^○^)
      大好きな古畑任三郎はもう何...
      けよしさん、いつもいいね!をありがとうございます!
      人体実験的視線でというのに思わず笑ってしまいました(^○^)
      大好きな古畑任三郎はもう何十回も観てるので、この作品も必ず3回目を読むと思います。
      その時は実験結果をまた見に来てください笑
      2024/07/06
  •  実は本書について、今すぐに読みたい訳ではなかったと書いてしまうと、ちょっと申し訳ない気持ちにもなるのだけれど、そもそもミステリ界に於いて、とてもメジャーな方だろうと思われるアガサ・クリスティの作品を、これまで「ミス・マープル」シリーズの「牧師館の殺人」しか読んだことがない私に(しかも内容ほぼ忘れてしまった)、何が分かるのかといった気持ちとなりつつも、何故今なのかというと、ある目的があったからなのだが・・・。

     ちなみにその目的を果たすには、読まない段階に於いて既に致命的となりそうな読み方になってしまうかと覚悟したものの、読み進めていくにつれて、それが気にならなくなるくらいストーリーの面白さが上回ってくる、そのクオリティの高さに驚くと共に、そう感じたのは、以前読んだ「牧師館の殺人」と同じ羽田詩津子さんの、1926年作とは思えない、現代感覚の親しみやすい文体で気持ち良くミステリの世界にのめり込ませてくれた翻訳も大きいのだと思い、それは本書を読んでいて、どこかデジャヴのような感覚に陥ったのも(噂好きの女性の語りの場面等)、おそらく羽田さんの訳が私にはしっくりくることの証なのではないかと思いながら、ミステリとしても物理的、心理的の両面に於いて、ストーリーの構成を考慮にいれつつ、実に巧妙に作られているのがよく分かる上に、専門的過ぎない内容はミステリの取っかかりとして読む方にとっても堅苦しさや難しさを感じさせず、寧ろ、その分かりやすさが良いのだと思う。

     それから、最も驚いたのは小説では初めて知る、探偵エルキュール・ポアロの存在感で、以前ドラマでちょっと観た時は渋いおじさんのイメージしか抱かなかったのだが、本書の終盤で見せる切れ味鋭い推理には、それまで溜めに溜めていたものを一気に発散させた衝撃も加わって、この人凄いなと素直に惚れ惚れしてしまった、その圧巻の一人舞台に、彼のポリシーの一つが『最後まで徹底的にやる』というのも肯けるものがあった。

     そして、溜めに溜めたという書き方をしたのは、彼特有の『秘密主義』の一面がありながら、誰もが些細なことだと見過ごしてしまいそうな、一見何でも無さそうな点にこそ謎を解く鍵があると確信している、それは、『関連性のないちょっとしたことが、全体に関わっている』や、『わたしはちょっとした思いつきで有名』にもよく表れているような、俯瞰的視点で物事を客観的に見ることのできる一面があるのかと思えば、某人物に『この男はなんとなく猫を連想させた』と言わしめるような、つかみどころのない一面もありつつ、自分自身へのプライドの高さもあってと、とても個性的で面白い探偵だと感じられたのは、『失敗して終わることはありません』と言いながら、『名声なんてほしくない』と平気で口にする、そうしたポリシーは彼が世界でいちばん興味深い仕事として、『人間性の研究』を挙げていることからも分かるようでありながら、過去の「牧師感の殺人」の感想を振り返ってみて、ミス・マープルの趣味が『人間性の観察』と書いてあったことに気付いた時は、ポアロに限らず、クリスティの中でミステリに於ける譲れないものが垣間見えそうな気もしてきて、そう考えると、別に目的のきっかけとなった彼だけが、人間性の謎を追究していた訳ではないことにも気付き、改めてミステリは色んな方の作品を読むべきだということも、今回勉強になった。


     ここで、その目的に戻るけれども、ネタばれはなるべく避けたい気持ちもあるので、私個人の気持ちだけ少し書くと、彼のある作品の解説はその通りだと思いながら、本書を別にアンフェアだとも思わなかったのは、その本編の中に於いて、充分に伏線的要素として何点か気付きうるものが含まれていたからと思う以上に、本書のミステリとしての楽しみが、決してそこだけに集約されている訳ではないことを、実際に読んでみて体感できたからである。

     それは事件の謎を考える楽しさに加えて、何かを隠していることが明らかになることによって痛感させられる人間の複雑さというか、まるでミステリの謎解きを通して、その時代の人間性を知っていく感覚が、クリスティの作品にはあるような気にさせられたのは、本書の中で特に目に焼き付けられた『弱くてみじめで卑劣な人間』という言葉が、多かれ少なかれ誰もが抱いたことがあるのではないかといった点にもあり、その言葉を受け入れつつ上手くやり過ごす人もいれば、そのまま自己嫌悪に陥ってしまう人もいるといったように、それぞれの人間性が悲しくも如実に表れてしまう一面を、ものの見事に描いていたのではないかと思われた切なさは、確かに同情の余地はない自業自得な点もあったものの、読み進めていくにつれて次第にポアロとの距離感が広がっていく様とは対照的に、その人間性を最も知るであろう存在が、実はずっと近くにいて気遣っていたことの大切さを、もう少し素直に受け入れていても良かったのではなんてことも思ったりしたが、それでも、あの終わり方は決して悪くないと思い、この辺はクリスティのさばさばとした一面が表れているのだろうかとも感じられた、スッパリと断ち切るような幕引きは、本書の発表後に巻き起こった様々な論争を吹き飛ばす清々しさに満ちているようで、私はこちらの方が好き。

    • たださん
      はい、本書の巻末にリストが掲載されていまして、ここでは登場しなかった海外にいる友人の存在も含めて興味があるので、また読んでみようと思いますし...
      はい、本書の巻末にリストが掲載されていまして、ここでは登場しなかった海外にいる友人の存在も含めて興味があるので、また読んでみようと思いますし、3作目にして最後の事件になるかもしれないと言っていたポアロも気になって、それともシリーズの順番と時系列は関係ないのですかね。

      それから、バークリーの方は市の図書館に次の作品だけ無くて、一応リクエストしてみますが、もしかしたら、次に読むのは8作目の「地下室の殺人」になるかもしれません。
      2025/03/14
    • 111108さん
      ポアロは、『カーテン』を最後に読めさえすればあとはそんなに順番気にしなくてもいいような‥もちろんシリーズ順だと間違いないと思います。私はドラ...
      ポアロは、『カーテン』を最後に読めさえすればあとはそんなに順番気にしなくてもいいような‥もちろんシリーズ順だと間違いないと思います。私はドラマ観ていてある程度知ってたので、順番めちゃくちゃでしたが特に問題なかったです。

      『最上階』と『地下室』でしょうか?ちょっと前の事件を言及するシーンあったかもしれないですが、これも問題ないと思います♪
      2025/03/14
    • たださん
      そうです。『最上階の殺人』だけ、ちょうど市の図書館に無いみたいで、『地下室~』と対になっているように想像していたので、どうかなと思ったのです...
      そうです。『最上階の殺人』だけ、ちょうど市の図書館に無いみたいで、『地下室~』と対になっているように想像していたので、どうかなと思ったのですが、分かりました♪
      ポアロのことも含めて、ありがとうございます(^^)
      2025/03/15
  • 果たしてこの物語の肝を知っている中で、楽しめるのか?
    非常にドキドキしながら読み始めた。
    話の中身自体は全くもって忘れていたことも功を奏し、おつりが出るくらい楽しめた。

    やっぱりうまいなクリスティ。
    物語に引き込み、様々な「?それがどんな意味を持つのだろう」という怪しいポイントを散りばめつつ、容疑をあちらへ向けたと思えばこちらへ向ける。
    空振りのようで空振りでない事実を重ねながら、気付けば物語全体の絵姿が出来上がっている。

    物語はキングズ・アボット村のジェームズ・シェパード医師の手記という形で展開される。
    この村で起きた、フェラーズ夫人の自殺とそれに次ぐ村きっての富豪ロジャー・アクロイドが殺された事件をめぐり、隣人エルキュール・ポアロの活躍ぶりを描く。

    ヘイスティングス不在の中、手記の記録手ジェームズはポアロから助手のお墨付きまでをも拝命。
    だが、この生真面目な医師では、あのぽんこつヘイスティングスの代わりが務まるわけもなく(褒めてます)、今作のいい味出している賞はジェームズの姉キャロライン。
    スモールコミュニティでの情報収集に余念がなく、各地に諜報部員を配し、一足飛びの際どい意見をずばずば繰り広げる。
    こういうすっとぼけた人がいると、めりはりが出て俄然面白くなる。

    いやー、それにしても分かってはいたのに、最重要場面を素通りさせられていたことや、最後まで事件がどのように起きていたのかがわからなかったことが、さすがクリスティ。
    モナミやエ・ビヤンなど注釈付き台詞がこれでもかと飛び交うのも乙。

    次は『ビッグ4』。
    攻略本では0.5点だ。。。

    • なおなおさん
      こんばんは!
      この本、ブックオフで買い、手にしたら安心してしまって積読中なんです。
      有名な本(…ですよね)だし、皆さんの評価が高いだけに、勿...
      こんばんは!
      この本、ブックオフで買い、手にしたら安心してしまって積読中なんです。
      有名な本(…ですよね)だし、皆さんの評価が高いだけに、勿体無いですよね…(-_-;)

      PSブクログスマホ画面(iPhone)が微妙に変わり、ちょっと戸惑っている…ってことをこちらで呟かせてください^^;
      2024/04/20
    • fukayanegiさん
      なおなおさん

      えー、絶対読んだ方がいいですよー!
      と言いつつ自分も買ってから1年くらい寝かせてしまいましたが。

      慣れの問題かもしれません...
      なおなおさん

      えー、絶対読んだ方がいいですよー!
      と言いつつ自分も買ってから1年くらい寝かせてしまいましたが。

      慣れの問題かもしれませんが、ブクログアプリの一新されたデザイン、ビミョーですよね!
      なんか広告とかも目に付くようになった気がするし、よく言えばスタイリッシュになった気もするけど、前のシンプルな感じのほうが好きだった。。
      2024/04/20
    • なおなおさん
      fukayanegiさん、やはり勿体無いですよね。
      分かりました。読みます!…という誓いを色んなブク友さんにしております^^;

      ブクログア...
      fukayanegiさん、やはり勿体無いですよね。
      分かりました。読みます!…という誓いを色んなブク友さんにしております^^;

      ブクログアプリの新デザインは、うまく説明できないのですが、各機能ボタン(文字や枠)が大きくなったような。
      前はどうだったか説明できないので、こうして忘れて新しいデザインに慣れていくのでしょうね。
      2024/04/20
  • ポアロの頭の中は常に明瞭なんですが、私の頭の中は五里霧中で…
    先が気になるけど、読み進めるのがもったいない…を繰り返してなんとか読了。
    最後まで読んで全ての真相が分かってから、もう一度最初から読むのが面白くて、面白くて。
    アガサ・クリスティー作品、まだまだたくさんあるので、これから読むのが楽しみです!

  • ミステリー書評
    読書レベル 中級
    ボリューム 445頁
    ストーリー ★★★
    読みやすさ ★★
    トリック  ★★★★
    伏線・展開 ★★★★★
    理解度   ★★★★
    読後の余韻 ★★★★

    一度は読みたいと思っていたミステリ代表作!1926年に発表された小説とはとても信じがたい展開でした。そして当時、この結末には賛否両論で物議を醸し出し、ミステリ作家で有名な「ヴァン・ダイン」は批評していたとのこと。

    現在のミステリ小説でも見受けられる叙述手法ですので、その後のミステリ作家に大きく影響を与えたことは間違いありません。そして、他のミステリ小説を読む時に深みが増す事は間違いなしです。

    海外ミステリ独特の不思議な翻訳が気になって、なかなか読みづらかった面もありましたが、たまにはこういった古典ミステリに触れるのもいいかなーっと!

  • とある論争があったことでも有名な作品。
    その触込みから、じゃあなんとなくこういうこと?って予想しながら読み進めたら、そういうことだった…(汗)
    とはいえ、もしかしたらと思える場面があったり、事件がどう収束するのかとか考えたりして、最後までとてもスリリングな展開で楽しめた。

    キングズ・アボットの町医者であるシェパードの手記という形式で物語が進行していく。
    この作品は、なんといっても個性的な登場人物達が、物語を引き立てているのに一役買っている。各人の人間性や背景が、事件を複雑に立体的にさせているし、そのドロドロ感やゴタゴタ感の人間模様が良いスパイスになっている。特に印象深いのは、やはりキャロラインのキャラでしょうw
    そして今回もポアロの鋭い推理が冴え渡る。この人に隠し事なんてできない。なんともまぁ、犯人に対する裁き方も恐ろしい。。

    ラストは犯罪を犯した者の内なる叫びが綴られて、言いようのない余韻を残す。
    人間の愚かしさを突きつけられて悲哀感がハンパない。

  • 登場人物がカタカナで何度読んでも誰が誰だったか分からず、何度も登場人物の一覧に戻っては読んでの繰り返しをしていつも以上に頭を使って読み終えました。

    理解するのに難しい言い回しもありましたが、最後まで楽しく読むことができました。

  • 本名エルキュール・ポアロ。イギリスの私立探偵。元ベルギー警察の捜査員。卵形の顔とぴんとたった口髭が特徴の小柄なベルギー人で、「灰色の脳細胞
    」を駆使し、難事件に挑む。

    読んだことは無くても名前だけは昔から知っている超有名な、名探偵ポアロ。
    いきなりシリーズ第3弾からの読み始め。
    さすが有名探偵だけあって、以前から知ってる探偵のようにすらすら物語に入れた。

    「エルキュール・ポアロに隠し事をするのは、たやすいことではありません。探りだすコツを身につけてますからね」
    「探偵は誰とも知り合いではないし、誰にも特別な感情を抱いていないーー彼にとっては、全員が見知らぬ人間であり、ひとしく疑わしいのです」

    一見、飄々としていて掴みどころがない。一旦話し出すと紳士的で人当たりも良く、誰にでも親しみやすい印象を持たせるポアロ。
    けれど一方で抜け目なく周囲を観察していて、突拍子もなく思える行動一つ一つにちゃんとした意味がある。
    ポアロの言動に読んでいるこちらも翻弄され、次から次へと謎が謎を呼び、物語に惹き込まれほぼ一気読み。

    村の名士アクロイドを殺害した犯人は誰なのか?
    ポアロと村の医師シェパードが事件の真相に迫る物語。
    関係者全員に疑いをかけながら、ラストに向けて真相へ導く流れが見事だった。

    大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の最終話について、脚本家の三谷幸喜氏がアガサ・クリスティーの作品を参考にした、とありクリスティーファンが予想をたてた一作品が今作だった、ということで読了。
    しかし…これがあのドラマに結びつくだろうか。。
    ちょっと前に読了した『そして誰もいなくなった』の方が近いのかな〜。

  • アガサさん、そして誰もいなくなった、オリエント急行からの三作目。なるほど〜!現在だと見かける手法だが、先駆けなのだろう。中盤で犯人ちょっと怪しんで当たってて一人でテンション上がる(^^)v嬉しいんだこれが。だからミステリーやめられない。フェアかアンフェアか議論になったらしいが、フェアでしょう!
    最後は、えっ…ってなった。日本の探偵ものだと探偵が阻止しそうな結末。

  • 大変に高評価の作品なので、期待して読みました。犯人、真相についてはびっくり、素晴らしい!!やはりよく出来ている設定だなと感じました。ただ、この本を読みやすいと評価している方、心から尊敬します。翻訳モノ、私はやはり苦手かも。。。所々、唐突に一般的には使わないでしょうという日本語(文章、表現、!の付く位置が変、言い回しが古臭い)が出てきます。自動翻訳なんじゃないかな?と思ってしまうほど。いやむしろ最近のAI翻訳はすごい。翻訳版は原文の良さや表現を残すのが難しく翻訳者が苦労する部分らしいと聞いたことがあるんですが、英語(原文)わからない人が翻訳版を読むのだから、原文の良さや言い回しを残す意味や、そもそも原文のニュアンスを伝える必要ってあるのかな?と。
    小説の内容や作品自体はとても良いだけに、少し残念な印象でした。

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アガサ・クリスティの作品

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