一握の砂

著者 :
  • 2012年9月27日発売
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感想 : 15

[我を愛する歌]
とにかく読みやすい。短詩型に慣れていないわたしでも、軽々と読めてしまう。世が世なら、それこそ「つぶやき」として、衆目の前で書き流されていた言葉たちなのかもしれないと思う。それにつけても、死ぬだとか、死にたいだとかが、簡単に言葉にされるものだなと思い、さらに、啄木の怒りや卑屈さを表現するかのような言葉をさらに目にし、ああ、そう言えば、この項のタイトルは「我を愛する歌」だったのだと、あらためて確認し、なんとなく啄木を身近に思ってしまうことのおかしさ。「教科書」で学んでいた頃とは違う、ただ言葉だけで啄木を追う面白さを思う。

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2020年10月6日
本棚登録日 : 2020年10月6日

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