沈黙の王 (文春文庫 み 19-5)

著者 :
  • 文藝春秋 (1995年12月8日発売)
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感想 : 43

#古代中国で最初に文字を発明した王様の話。そう聞き表題作を読んだが、言語障害を理由に追放された王子の貴種流離譚がメインで、文字制定の現場は1Pのみ。

#明らかに白川静の著作の影響があるのに、漢字は一人の王の創造物、というマッチョな結論にとまどったが、調べてみるとこれは、最古の甲骨文は武丁の時代からの出土、というところから宮城谷が膨らませた創作らしく、そう判れば作者が文字の創成期にはどんなドラマが必要だと考えたのか、という視点で楽しく読める。でも、文字が存在しない世界のことを文字で記述できる、ってやっぱり不思議。

(2009/03/26)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年8月23日
読了日 : 2009年3月26日
本棚登録日 : 2015年8月23日

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