九マイルは遠すぎる (ハヤカワ・ミステリ文庫 19-2)

  • 早川書房 (1976年7月1日発売)
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本棚登録 : 2067
感想 : 178
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好きな小説紹介系YouTuberがレビューしており、しばらく前に購入。長らく本棚に眠っていたが、久しぶりに海外ミステリが読みたくなり積読消化することに。

表題作『九マイルは遠すぎる』は究極のアームチェア・ディテクティブ作品と謳われるだけあり、探偵役のニコラス・ウェルト(ニッキィ教授)が友人との言葉遊びから素晴らしく鮮やかな推理を展開していく。少ないページ数で見事な推理描写を見せた作者のハリイ・ケメルマンのセンスに只々脱帽するばかり…。
他に好きな作品を1つ挙げろと言われれば、『時計を二つ持つ男』だろうか。好奇心がそそられるタイトルだけでなく、伏線の張り方とその回収の仕方が実に秀逸で、ユーモアなオチも相まって素晴らしい読後感を味わえた。

読みやすい連作短編形式かつ、殺人事件が絡むものの生々しい描写が少ないものポイントで、海外ミステリに挑戦してみたい人にはぜひ読んでほしい作品だった。
本作の感想とはあまり関係ないかもしれないが、海外のミステリ作品はなぜこんなにも心躍るタイトルが名づけられるのだろうか。ついつい口に出してみたくなるような本の名前である…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 早川書房
感想投稿日 : 2024年3月21日
読了日 : 2024年3月20日
本棚登録日 : 2024年3月21日

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