九マイルは遠すぎる (ハヤカワ・ミステリ文庫 19-2)

制作 : 永井 淳  深町 眞理子 
  • 早川書房
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本棚登録 : 896
レビュー : 112
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784150711023

感想・レビュー・書評

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  • 現在も多くのミステリ作家の作品で紹介されている表題作を含む短編集。安楽椅子探偵物の短編集。探偵役はニコラス(ニッキィ)・ウェルト、語り手は「わたし」。ホームズとワトスンを彷彿とさせる雰囲気がある。表題作はわずか11語の文章から推論を重ねていき、殺人事件の真相を解明する、まさに安楽椅子探偵物の傑作。単なる「推論ゲーム」から、知らされていなかった殺人事件の真相にたどりつくというアイデアが秀逸。他には「おしゃべり湯沸かし」が良かった。真相解明に至る論理が素晴らしく、ラストも気が利いてる。他に「わらの男」「10時の学者」「エンドプレイ」「時計を二つ持つ男」「ありふれた事件」「梯子の上の男」

  • 「9マイルは遠すぎる、まして雨の中ではなおさらだ」
    たったこれだけの言葉から生み出される鮮やかな推理と、マニアをニヤリとさせる逆説的な結末。
    まるで推理小説の楽しみを凝縮したかのような一冊。
    もしまだ読んでいないミステリファンがいるなら、今すぐ書店へ!

  • 国語教育の悪弊は「自由に書きなさい」と子どもに強いることだ。それで表現力が磨かれるのだろうか? 僕はそう思わない・・・。本書はミステリーとして編み込まれた「思考実験」である。実験であるからには初期設定が用意されており、予想通りの結果に帰着せざるをえない。つまり、撃たれるショットには制限があり、縛られた条件の中で解を導き出さなければならない。当然のようにホームズ役(ニッキイ・ウォルト)は「安楽椅子」に揺られるような動きしか許されず、ワトソン役(語り手の「私」)は誤答例を枚挙することに終始する。結果から過程を類推する態度を「現象論的」と呼ぶが、辻褄合わせのためには無駄など許されないわけで、厳然とした制限を見て取らねばならない。思考の動作チェックにはうってつけの良書。『天城一の密室犯罪学教程』と併読すればなお良し。

  • 安楽椅子探偵モノの短編集。「わらの男」が個人的に気に入った。どの作品も、人から伝え聞いた少ない情報の中から真相を暴いていく「定番」ですね。
    短編ながら、推理の過程でどんでん返しがあったりと、収録されている8編、どれも楽しませてもらいました。
    たぶん、この本は、ちょっと息抜きしながらミステリ楽しみたいときに再読すると思う。

  • たった10語から導き出される意外な結末…。
    とか、紹介なんていらないくらい有名な1冊。
    安楽椅子探偵の代表作。
    何度目かの再読だけど、いつ読んでも面白い。ネタバレとか関係なく、推理の過程を追っていくのが楽しくって。
    きっとまた読むと思う。手元から離せない1冊。

  • 読み慣れてくると、終盤お決まりといった様子で推理を披露するニッキィの登場を心待ちにしてしまう。魅力的なキャラクターだと思う。

    推理の内容も十分かと言えばそうでないことも多いが、少ない情報量で構築されるそれらは大変に魅力的で美しさを持っていた。

  • よく聞くタイトルだったので読んでみなくてはと思っていました。安楽椅子探偵ものですね。面白かったです。読めて良かった(^^)

  • 父が貸してくれた本。
    読んだらめっちゃ好きなやつでした。主人公のニッキィと語り手である「わたし」のやり取りに、最初はイギリス人かと思いましたがアメリカが舞台でした。ウィットに富んだ登場人物の会話、少ない手がかりから導き出される意外な答え。オチの付け方もオシャレ。お父さん素敵な本をありがとう!

  • 「9マイルもの道を歩くのは容易じゃない、まして雨の中となると尚更だ」という何気ない一文から推論の末、殺人事件の真相を暴き出す、という裏表紙のあらすじに惹かれて手に取った短編集。
    表題作を含めどの話も、常にちょっと上から目線のニッキイ・ウェルト教授がその場にいないにも関わらず、ほんの些細な手掛かりで表面上分からない犯行(ほとんど殺人)を解き明かすという“安楽椅子探偵”の作りで構成されています。
    狭い世界で登場人物も少ない中なので犯人はすぐ分かりますし、トリックも難しいものではなく、ハラハラドキドキはありません。
    ニッキイ・ウェルト教授のキャラクターを楽しめるかどうかで好き嫌いが分かれそうな。
    個人的には裏表紙のあらすじに勝手に騙されたなぁという気がしました。

  • 久しぶりのミステリ。「9マイルは遠すぎる」という言葉。指紋の残る誘拐犯の手紙。コーヒー党の若者がならした湯わかしの音。などなど、ちょっとしたヒントから推論を組み上げる安楽椅子探偵ニッキィの活躍。
    正直にいうと上記の三編以外はいまいちに感じて。なんでだろう?一言でヒントを示せないから?いや示せるな。ただそれがクリアに、強調して示されない分印象が弱くなってるのかもしれない。
    いまいちに感じた、ってだけで、安楽椅子ミステリとしてもちろん面白かった。翻訳から45年近くたってるのに古く感じないのもすごい。言語学者の知識を礎としてるこの作品ならではなのかな。

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