鹿の王 (下) ‐‐還って行く者‐‐

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年9月24日発売)
4.08
  • (840)
  • (889)
  • (498)
  • (61)
  • (11)
本棚登録 : 7226
感想 : 751
4

「国や組織と同じように、人の身体は幾つもの命の集合体」という視点がとても新鮮でした。自分の身体を理解していて全ての行動は自分が意思決定しているようでも、実は身体の要求に従って意思が形成されていることも多々あるのだろうと。

人に親切にしなさい。そうすれば自分に返ってきますよ。という幼い頃の教えが腑に落ちた気がします。裏を返せば、蔑ろにしたり無礼な扱いをしたことに対しては、いずれ必ずしっぺ返しが来るのが世の常だと思いました。

人が決めた肩書やルール無しに、無条件に人を深く愛する描写が最も印象的で、そんな人になりたいし、偏見や思い込みをせずその人自身の人間性をフェアな視点で見て接することができる器の人間になりたいと強く感じました。

ストーリー全体については、展開に大きなサプライズが無く大方予想通りに進んだのが少し物足りなかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年5月10日
読了日 : 2020年5月10日
本棚登録日 : 2020年5月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする