モノノケ杜の百鬼夜行 疫病退散の噺 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2020年12月24日発売)
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感想 : 6

「一華と潤と、芳沢の猫」
屋根裏から聞こえる音。
ここまで不審な出来事が続いていることを家族で共有していたのなら、誰か一人ぐらい確認しようと考えなかったのだろうか。
化粧をしたり何かしら物で顔を隠す事もせず、嘘を付き素顔のまま潜入するなんて危険なのでは。

「一華と潤と、御森の送り狼」
死んでも護りたい存在。
自らの欲を制御しきれないから起きた事なのだろうが、これだけ白昼堂々と犯行に及ぼうとしても気付かれない場所は怖いな。
主を想う気持ちが強かったからこそ、物怪になり彼女に危険が及ばぬ様に留まっていたのかもな。

「一華の覚悟と、潤の絆」
少しずつ歩みを進めて。
彼の語った事が全て事実だったとしても、徐々に結界内から蝕んでいた物がある時点で修繕が間に合わない時が来ただろうな。
信仰心から生まれた者達は、一時的であろうと願いを込めた際の想いの強さが全てなのだろうな。

「移り変わる街にて」
友人と過ごす休日には。
歳月が経つに連れ変化しない物は世の中に無いだろうが、見た目は変わろうと内面は時が止まった様な世界もあるのだろうな。
他人と比べて劣っている事には直ぐに気付くが、自らにしか出来ない事には中々気付けないよな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 蒼月海里
感想投稿日 : 2021年2月25日
読了日 : 2021年2月27日
本棚登録日 : 2021年2月25日

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