地球最後の砦 (ハヤカワ文庫 SF 28)

  • 早川書房 (1971年6月1日発売)
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本棚登録 : 19
感想 : 2
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アシモフとは別の方向で読みにくいヴォクト。その中でもなかなか手ごわい作品。そのミニ版みたいな短編も収録。

いきなり20世紀から未来へ跳躍、そこで行われている星間戦争(栄光人 vs 惑星人)に巻き込まれてしまうノーマとガースン。そこからあっちに行ったりこっちに行ったりのディテイルは理解できるものの、タイムマシンにサブのタイムマシンがいたり、オブザーバーが追いかけてきたと思ったら突然故障したりと、ドタバタの域に達する。

「砦」は主人公だった、ということなのだろうが、タイムマシン、星間戦争だけでお腹いっぱいなのに、念力的な要素まで取り入れてしまって、何が何やらというのがタイトル作。

2本目も、失われていた記憶を訪ねているうちに、未来へ飛び込んで、追っていた女性が自分の妻になっているという、まあ説明してもよくわからない作品だが、解説にもある通り「地球最後の砦」をコンパクトにしたような世界観のため、ややわかりやすい。

ヴォクトは、こと物理学に関連したSF表現には非常に長けているのだが、本書では名訳者である浅倉久志氏も混乱しているような表現がたびたび見られた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2016年5月13日
読了日 : 2016年5月12日
本棚登録日 : 2016年5月12日

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