昨日まで東北を旅行していました。最後の訪問地が遠野です。その前に遠野物語を読もうと思いました。
最初に手にしたのが青空文庫。しかしなかなか読みづらく。たどり着いたのがこの本でした。
原文を単に口語体に変換するだけでなく、本来なら注釈とすべき内容を本文内に上手く取り込むことによって、平易で読みやすくなっています。さらに説話の順番を入れ替えて括ることによって、頭に入りやすく工夫されています。
後ろには柳田さんの原文も付いています。入門編ともいうべき京極さんの文章を読んだ後にこちらを読むと、原文が削ぎ取られたような名文である事が良く判ります。
ところで実際に訪れた遠野。
卯子酉様とか五百羅漢、コンセイサマ、オシラサマなどちょっとディープな遠野も良かったのですが、良く晴れた晩秋の遠野は、盆地を取り囲む山々の針葉樹の緑と広葉樹の紅葉に彩られ、刈り取りの終わった田んぼのあちこちにたわわに実る柿のオレンジ。ちょっと冷たいけど清々しい風。それだけで「民話の里」という雰囲気にあふれていました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年11月11日
- 読了日 : 2019年11月7日
- 本棚登録日 : 2019年11月11日
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