新書は公共圏への安い「入場券」だったのが、94年のちくま新書の登場が転機となり、「人」に焦点をあてた「入門書」を出し、学問のある「体系」を教えるというそれまでの新書のあり方を変えた。その後質が低下し「入門書」にも達しない「門前書」が増えたが、その背景として「教養」と「啓蒙」の機能と概念の変化を指摘している。
確かに新書は乱立・量産状態でライターによる口述筆記や対談本等のやっつけ仕事的なものや、マニュアル本や自己啓発本のような「軽い」ものも増えてはいるが、手軽でタイムリーに情報収集可能なメディアという側面もあり、ある種の「鮮度」も求められているようにも思える。よって、選書のスキルが重要になってくるわけだが、それは読み手のニーズやレベルにも依存するのだろう。とはいえ、まずは読まない事には始まらないので、あれこれ乱読しながら模索していくしかないのかと。
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- 感想投稿日 : 2022年5月9日
- 読了日 : 2022年5月9日
- 本棚登録日 : 2022年5月9日
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