最近話題となっている社会問題を大学生たちが議論するという内容で、生命倫理や科学哲学的なテーマが多いが、環境倫理やジェンダー問題も入れてもよかったのではないかと思われる。ディベートといっても決着をつけるのではなく(これは競技ディベートというらしい)、互いに意見を出し合い考えること(これが哲学ディベート)がメインとなっているのでちょっと誤解を招きそうな題名ではある。全体的には所謂「哲学的な議論」になっているかどうかは章によってはちょっと怪しいところもあるが、各々の問題に関する論点はとても細かくよく整理されていて参考になる(尚、登場する各大学生は架空の人物であり、論点整理はすべて著者によるもの)。各章とも明確な結論がなく放り出される感じもあるが、各議論を踏まえて自分なりに考えてみることが有益な読み方なのであろう。という意味では「読んで終わり」という本ではない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年7月20日
- 読了日 : 2022年7月20日
- 本棚登録日 : 2022年7月20日
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