火の鳥7

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2009年8月20日発売)
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本棚登録 : 163
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手塚治虫『火の鳥 乱世編』は源平の合戦が舞台である。上巻は平清盛の死去、下巻は源義経の滅亡までを描く。火の鳥そのものが活躍しないという珍しい話である。永遠の命を与える「火焔鳥」の伝承があり、それを求める権力者の妄執が描かれる。
源義経は伝統的には悲劇のヒーローであるが、『火の鳥 乱世編』ではブラック企業経営者のような冷酷で傲慢な人物に描かれる。武蔵坊弁慶に相当するキャラクターは優しい木こりである。彼が義経に利用されるばかりという点が悲しい。
架空のキャラクターの人間ドラマが中心であり、歴史上の名場面の多くは省略されている。古代日本を舞台とした『火の鳥』では騎馬民族征服説や仏教を侵略者として描くなど歴史の斬新な視点があった。それに比べると『火の鳥 乱世編』は歴史ファンには物足りなさを感じるかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2020年9月20日
読了日 : 2020年9月20日
本棚登録日 : 2020年9月20日

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