何よりも表題作「眠れる美女」の魅力に尽きます。
眠っていて決して起きない美女を「見られずに見る」「気づかれずに触る」というエロティシズムと、普段は相手にされないような若い娘を自由にできる倒錯した所有欲を川端の美しい日本語で描いています。
作中に出てくる6人の眠れる美女が、性格描写もないのにそれぞれ魅力的に書き分けられているのも素晴らしい。
「片腕」「散りぬるを」は実験的な作品で、文学的な意図はともかく小説としてはあまり面白いものではありませんでした。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文芸
- 感想投稿日 : 2011年8月21日
- 読了日 : 2011年8月21日
- 本棚登録日 : 2011年7月8日
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