花の感情だけに入り込んでいけば、くらく沈みゆくような悲痛な恋の話。愛するおとこに、人生すべて与え、与え、奪われつくし、それでもその愛だけを頼りに立つ老女のような若い女。「離れなければならない」と、身を引きちぎる思いで光りのあたる人生に挑むが、失いきれず立ち尽くす。
読んでいて迫りくる、花のあまりの悲しみ。
これは女のひとのための物語と思う。男性はこんなものつきつけられたら嫌ではないだろうか。美郎は、ほのかにしかこの物語に気づけない。…おんなのこはみんな、過去の悲恋をかくして、あなたのまえで微笑んでいるのかもしれない。それがたとえこれほどおぞましいものでないとしても。
(なんて。
ところで作者が別の本にて、淳吾のビジュアルはオダジョー派とトヨエツ派がいて…という話をされていた。おもしろかったです。私、オダジョー派です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2013年2月12日
- 読了日 : 2013年2月12日
- 本棚登録日 : 2013年2月12日
みんなの感想をみる