私をくいとめて

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2017年1月6日発売)
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本棚登録 : 1138
感想 : 191
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私には私がついている。だから、孤独でもだいじょうぶ。
孤独だけど、ひとりじゃない。
だって私がいる。
その感覚を主人公を通して体感して、とても心強く思えた。
私ってこんなに私にとって頼りになる存在だったのかと、目から鱗である。

私をくいとめて、って感覚はとてもわかる。
どうにかしたいし我ながらどうにかした方がいいのはわかっているが自分ひとりの力ではどうにもできない感じ。
立ち上がれなくて混乱してしまう感覚。
でも、Aと主人公のお陰で
内側の自分に背中を押されながら、自分の背中を押しながら、怖いけど、外を見て、外へ出て、生きていけそうな感じがした。
きっとだいじょうぶ。

等身大でかっこわるくて、でもそれを認めてくれる受け止めてくれる、仲間のような、まさにAのような小説だった。
ありがとう、がんばります。

・読みながら年齢に思った以上に囚われている自分に気付く。女の子っぽいこと、情けないこと、共感しても「でもいい歳だし」「そんなこと思っちゃいけない」って自分を縛っていた。何歳なんだからこうでなければいけないのだと。でも、年齢以前に自分という一人の人間であって、何歳の女性◯◯さん、職歴◯◯、という括りが優先されてはいけない。軌道修正したいな。
・自分の感性で、周囲の人のことを こういうところが好き、ときちんと感じる主人公に魅力を感じる。恋愛関係となるとまだまだビギナー感があるが、普段は他人の価値観との間に綺麗に線を引いて堂々としていて素敵だ。
・飛行機の件はやや冗長でついていけなかったが、Aとの良い思い出にはなった。イタリア旅行の話も必要だったか?と疑問は残るが「世界は広い」と この物語の途中で思い出せることに価値はあるのかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2018年8月25日
読了日 : 2018年8月25日
本棚登録日 : 2018年8月24日

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