これを読んだのは、随分前のことだ。
官僚にもすごい奴がいる
と ひどく感激したものだった。
『自由化したらアメリカに負けてしまう という 強迫観念と
通産省のチカラで 民間産業を育てる という強い意志がある』
国の未来を考え、国を動かす通産官僚。すごいぞ。熱いぞ。
という物語である。
日本の敗戦後の経済成長のなかで
通産省が どんな役割をしたのか?
国内産業の保護というのは
戦後の一時期は 必要だったかもしれない。
国内産業保護派
『赤ん坊を寒風にあてたら、強くなるどころか風邪をひく、
命にかかわることもある』
国際貿易推進派
『日本経済はもはや赤ん坊ではない。
過保護にすると、子供はいつまでもひ弱なままだ』
風越のモデルは「佐橋滋」
通産省大臣官房秘書課長→重工業局次長→重工業局長→企業局長→
特許庁長官→事務次官
風越信吾 は 「ミスター通産省」といわれるオトコ。
そういわれても・・・当然という顔をしているほど
心臓の強いというか、心臓がないオトコだった。
『あいつは サムライだ』というのが ほめ言葉らしい。
それぞれモデルがあった。
この経歴を見ていると 天下り は当たり前なんですね。
そういう意味で 佐橋の 身の処し方が 清いかもしれない。
問題は 個人的な人間評価 をポイントにするのではなく
風越信吾 が 何をしようとしたのか?
という 通産省の官僚としての 行動評価が いるような気がする。
日本の進路 を 個人の枠にはめて考えるのは
いい手法とはいえない。
もっと 客観的な目がいる。
城山三郎の 風越信吾に対する高い評価が そのまま
再現されるのは どうなのだろうか?
- 感想投稿日 : 2019年2月18日
- 読了日 : 2019年2月18日
- 本棚登録日 : 2019年2月18日
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