カラマーゾフの兄弟 4 (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社 (2007年7月12日発売)
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感想 : 173
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19世紀にこの小説が完成しているというのがすごいと思った。同じ人物が作り上げたと思えないほど多彩なキャラクターが様々な哲学を持っており、作者自身が事件の目撃者として登場しているのも面白いし、物語がリアルに感じられる。 社会制度、基本的人権、宗教、科学、司法制度、家族愛、教育、心理描写など、テーマも多岐に渡っている。 状況証拠だけで有罪を問うこと自体、未熟な司法制度と言わざるを得ないが、現代の日本でも起きてることは由々しき事実。 物質と物質を媒介するエーテルの存在が引き合いに出されるなど、アリストテレスの古典的な化学が信じられている時代というのも面白い背景。ロシアの葛藤を伝える点においても作品の魅力の1つとなっている

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年3月21日
読了日 : 2019年3月21日
本棚登録日 : 2019年3月18日

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