まず、本の表紙が素晴らしい。そして、期待に違わず金子氏の散文は詩でもあるような印象を持った。熱帯地方の生ぬるい、じめじめした大気が體にまとわりついてきそうだ。泥河から沸き立つ、人間の糞尿やナッパ椰子の腐った饐えたような臭いにも搦めとられそうだ。森千代との旅なのだが、そのとき彼女には別の男がいたのだ。金子氏はどのような気持ちで旅を続けたのであろうか。とても辛い旅であったのかも知れない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
紀行文
- 感想投稿日 : 2016年7月30日
- 読了日 : 2016年7月30日
- 本棚登録日 : 2016年7月30日
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