星間商事株式会社社史編纂室

著者 :
  • 筑摩書房 (2009年7月11日発売)
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本棚登録 : 2787
感想 : 481
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『24人のビリー・ミリガン』じゃないけれど
エッセイと小説では完全に別人格の、
「2人のしをんちゃん?!」かと思ってしまうほど作風の違うしをんちゃん!

ついにこの作品で人格統合を果たしたというか、
趣味と実益を兼ねたというか、
とにかく楽しげに作品を書き上げています♪

薄暗い室内に、やる気の「や」の字も見当たらなかった
社史編纂室の面々が、
後ろ暗い匂いの漂う「高度成長期の穴」の取材に
上層部からの圧力がかかったのをきっかけに
一丸となって会社の暗黒時代を暴くために立ち上がる!

。。。と、これだけでも普通におもしろくなりそうなのに
その手段として登場するのが同人誌、というところに
まさにしをんちゃんの真骨頂が発揮されるのです。

作中にしばしば登場する同人誌掲載用の
BL小説から怪しげな時代小説(?)、冒険小説も楽しく、
「うん?しをんちゃんの本にしてはあっさりしたカバーイラスト。。。」
と思ったら
表はお偉いさんの目をくらますための「表社史」のそつのないカバー、
カバーを外すと、同人誌に使用した「裏社史」用の写真が
ちゃんと現れてくる装丁もサービス満点で、
三浦しをんファンにはたまらない1冊になっています♪

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ま行の作家
感想投稿日 : 2012年6月12日
読了日 : 2012年6月11日
本棚登録日 : 2012年6月12日

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コメント 3件

円軌道の外さんのコメント
2012/06/13


こんばんは(^O^)
沢山コメントありがとうございました!

東京出張から只今帰りました(^_^)v


てか、装丁めっちゃ凝ってる本なんですね〜♪

CDと同じく
本も表紙や紙質や
帯のキャッチコピーなど、
すべてトータルして、
ひとつの作品だと思ってるんで

こだわりが感じられるものは
それだけでかなり気になります!

さらにトドメとなる
「同人誌」なるキーワードで
もうハート撃ち抜かれました(笑)


昔、毎年10万人が集まる
同人誌の祭典の
アルバイトをしたことあるんやけど、
ホンマディープな世界観に
びっくら仰天でした(≧∇≦)

同人誌なるものが
あんなに自由で
あんなにエッチで
あんなに人気があるなんて
思いもしなかったです(汗)


しかし
しをんさんてば
守備範囲広いっスよね〜(笑)

まろんさんのコメント
2012/06/13

おお!東京にいらしてたんですか~!
出張お疲れさまでした(*^_^*)

この本、中身を読んでから装丁をもう一度見ると
そのリンクぶりにぷぷっと噴出すこと請け合いです!

同人誌の祭典というと、この本にも登場するコミケでしょうか?!
円軌道の外さんのバイト経験、
ほんとにバラエティに富んでて、エッセイにして読ませてもらいたいです(笑)

まろんさんのコメント
2012/06/15

torachanさん♪

ううん((-ω-。)(。-ω-))ううん
「本を愛する私は、カバーの中まで傷がないか
しっかり確かめないと買えないわ!」
という風情で、堂々とカバーを外すのよ!
そして、
「あら残念!1ミリほど傷がついていたわ!」と
あの、何枚も重ねた布団の下の豆粒が気になった童話のお姫様のように
その場を優雅に去ってくるのよ!
ふぁいと♪

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