「潜在意識が意識へと、どっと流れ込んでくる・・・・・。それが、孤独の歓迎すべきところです。」
この本は、彼女を撮ったフィルムに映された彼女の言葉たちと彼女のよんだ詩たち。
彼女は読者にたいして"透明で" あろうとしている。「自己を顕示することと、完璧に自分を率直に透明に表そうとする思い」とのあいだで、彼女はことばを探しだす。そのバランスの、繊細さの妙が、彼女を特別にしているのだなとおもった。彼女の詩をようやくいくつかまとめて読めたことの嬉しさもおおきかった。
彼女の詩からは、穏やかで究竟なイメージが流れ込んでくる。しばしトリップ。それは 動く絵 のようにわたしを占め、法悦にひたらせる。なんというエネルギー。凝縮された結晶の、あまりにもあざやかな煌めき。自然をうたった詩には精霊が棲まい、導いてくれているよう。両親の死をよんだ詩は、わたしに勇気を与えてくれる、最高のおくりものだった。流れた涙はきっと愛にかわるのだと。
「わたしは歩む
新たなる自由と 生を超える感覚の誕生に向かって
そして 甘美な光のなかで
わたしは 旅立つことを学びつつある」
『六十歳の深奥より』
あぁぁぁ好きが暴走して原文で読んでみたくなってきてしまっている。
「わたしは自分の作品が、究極的には透明なものであってほしいと思っています、透明で、深い、たとえば井戸のような。」
「個人的な部分をより深く掘り下げていくと、人は、より普遍的になっていくような気がします。」
- 感想投稿日 : 2023年10月13日
- 読了日 : 2023年10月13日
- 本棚登録日 : 2023年10月13日
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