「差違」としての「人種」を考えるための一冊、基本文献。
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本書はRuth Benedict,Race:Science and Politics (The Viking Press,New York,1959) の翻訳である。
近年、“人種”概念の再検討が盛んであるが、一方には、J・P・ラシュトンの『人種 進化 行動』(蔵琢也訳、博品社、一九九六年)のように遺伝的人種差を認めるものもあれば、他方では、“人種”概念の「実体化」に対する批判も強い。こうした議論を検討する際、私達が留意しなければならないことは、その言説がどのような社会的背景・時代状況のなかでハッせられたか、という点であるだろう。それはベネディクトのような科学者の言説についても例外ではない。
--「訳者あとがき」、R・ベネディクト(筒井清忠・寺岡伸吾・筒井清輝訳)『人種主義 その批判的考察』名古屋大学出版会、1997年、225頁。
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読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
カルチュアル・スタディーズ
- 感想投稿日 : 2010年12月3日
- 読了日 : 2010年12月3日
- 本棚登録日 : 2010年12月3日
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